ツイッターで聞いてみたところ、多少需要があるようなので、RBOのバランサーに関してまとめておきます。
ここでいう、バランサーは、RBOデータベースに入っている、あまりにも現実離れした成績がでないようにバランスを取るための成長衰退システムとします。
現行の仕様の前に、過去の「天秤」の話から書いていこうかと思います。データベースの大改修が行われた時(351年度~380年代あたり)に仕様が変わってるので、現行ではそのまま使われていないものもあるのですが、効果や副作用には似たものがありますので。
- RBO旧時代のバランサー
- 現行RBOのバランサー
- バランサーの副作用について
の3部構成です。
– RBO旧時代のバランサー –
私が把握してるものだけで、3つあります。
- 守備天秤
- パラ天秤
- フタ
……当時を知らないとわけわかりませんね。1つずつ説明していきます。
【守備天秤】
「天秤」と呼ばれていたものには2種類あったのですが、「天秤」というと、こちらの効果が強烈なため、主にこちらのことを指してることが多かったです。
「守備天秤」は、リーグ成績のうち平均打率と平均防御率を見て、その結果から、その年の秋落ち、さらには翌年の春成長に影響を及ぼすバランサーです。リーグ単位で作用し、バランス取りとしては即効性重視のものになっています。
特に守備に影響が大きかったので、「守備天秤」と呼んでましたが、守備だけでなく、成長衰退判定のあるすべての野手と投手能力に影響します。
詳しい閾値とテーブルは、こうなってました(横画面狭いディスプレイだと見づらいですが修正めんどうのでそのままですいません)。
– 守備天秤表 –
守備/攻撃 | 〜.209 | .210〜.229 | .230〜.249 | .250〜.269 | .270〜.289 | .290〜.309 | .310〜 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
〜2.50 | 10/-10 | 8/-8 | 6/-6 | 5/-5 | 4/-4 | 2/-2 | 0/0 |
2.51〜3.00 | 8/-8 | 6/-6 | 4/-4 | 3/-3 | 2/-2 | 0/0 | -2/2 |
3.01〜3.50 | 6/-6 | 4/-4 | 2/-2 | 1/-1 | 0/0 | -2/2 | -4/4 |
3.51〜4.00 | 5/-5 | 3/-3 | 1/-1 | 0/0 | -1/1 | -3/3 | -5/5 |
4.01〜4.50 | 4/-4 | 2/-2 | 0/0 | -1/1 | -2/2 | -4/4 | -6/6 |
4.51〜5.00 | 2/-2 | 0/0 | -2/2 | -3/3 | -4/4 | -6/6 | -8/8 |
5.01〜 | 0/0 | -2/2 | -4/4 | -5/5 | -6/6 | -8/8 | -10/10 |
※RBOpediaより(大元は那珂川さんからの情報をkyousoさんが表にしたものです)
縦横の数字は、リーグの平均防御率と平均打率です。
表中の「守備/攻撃」のプラスマイナスは、選手の才能努力を監督補正後、プラス1なら1ランクダウン、マイナス2なら2ランクアップさせるように働きます。
プラスとマイナスがイメージと逆になってて分かりづらいのですが、RBOデータベースの内部値がEが高い値、Sが低い値に設定されてるため、こういう仕様のようです。
例えば、あるリーグの平均防御率.250~.269で、平均防御率3.01~3.50ならば、「1/-1」で、投手能力と野手の守備関係に1ランクマイナス、野手の打撃関係に1ランクプラス、の効果があります。野手才能努力が、監督補正後BBの場合、打撃能力はAA、守備能力はCCで判定されるようになります。
これは、特定のチームや選手、能力の区別はなく、リーグ全体すべての選手に一括して影響します。かなり乱暴なバランサーともいえます。
実際プラスマイナス10など極端なものは起こらないのですが(この天秤自体が即効性があるので、その前に修正される)、プラスマイナス4まではなる年がときどきありました。こうなると、元の才能・努力が無意味に思えるほどの補正ですね。
同時に「守備天秤凪」と呼んでいた副作用もあるのですが、それについての説明は長くなるので、あとまわしにします(後述)。
【余談】
「天秤」という名前は、元々私が勝手に命名したもので、大昔のウイニングポストにあった「血の天秤」が語源です。
「血の天秤」はある系統(例えばノーザンダンサー系など)の馬が、ゲーム内世界で増えすぎると、その系統の仔馬に強い馬が生まれなくなるという強烈なバランサー。
【パラ天秤】
パラはパラメータの略です。
こちらはリーグ内のパラメータごとに働くもので、例えば、リーグ内の平均球速が高いと、リーグ全体に球速が上がりづらくなり、平均長打が低いと、長打が上がりやすくなるというものです。
こちらの閾値は公開されてなかったので、詳細は那珂川さんのみ知るといったものです。
実は同リーグに軟投好きチームが入ると、自チームの球速が上がりやすくなるというメリットがありました(自チームに限らずリーグ全体ですけどね。軟投スキーさんは自らの存在が球速を上がりやすくする)。
なお、データベース大改修後の現在はリーグ単位ではなく、機構単位で見るようになってるはず……なんですが、その後また再び変わってる可能性があるので確証はありません。
少なくとも過去においては「守備天秤」に比べると効果は薄いものでしたし、後継となる現在のバランサーもあまり強いものではないように思います。即効性重視の「守備天秤」に対して、こちらは遅効性。
【フタ】
なんだよ「フタ」って!
と思いますが、たぶん那珂川さん自身の命名なので、那珂川さんに……(涙) こちらはリーグ単位ではなく、機構単位でかかる成長制限。成長を制限をするので「フタ」。
;-Ver 2014.02.19rbo--------------------------------------------------- ; 投手能力上昇 :無制限 ; 打撃能力上昇 :無制限 ; 守備能力上昇 :無制限
ベースデータ、アジャストデータ下部にあるこれが実はこの「フタ」の設定に関するもので、現在は「無制限」……つまり無効化された状態になっています(現在でもデータベースの設定次第では使用可能かもしれませんが、215年度以降ずっと「無制限」になってます)。
「制限」をつける場合は、「フタ」の厳しさ設定をすることができ、1~9の9段階設定でした(無制限を含めると10段階)。9が最も緩く、1が厳しい設定です。緩いと成長しやすく、厳しいと成長しづらい設定。
基本的には、機構全体の選手のパラメータを見て、「フタ」のそれぞれの設定に定められたところを超えてると、選手の特定の箇所がいっさい成長しなくなる(多少例外あり)という、強力なインフレ抑制バランサーです。
ただ……この「フタ」は、実際に使われていた設定7~9でも、かなり成長しづらくなり、加えてバグが発生して190、191年度の2年間ほぼ成長が発生しなくなるなど問題が起きていました。
【余談】
また、他にも同じ年の判定でも、先に成長判定した選手はフタが緩く、あとになるほど厳しくなるという論理バグみたいなものもあったように思います。(当時は成長判定を一括でなくて、カンファレンスごとに順番にやっていました。その結果、先に成長した選手パラの合計値が一定値に達すると、あとで成長判定を受ける選手は育たなくなるという現象がおそらく起こってました)
ちなみに、特訓には、その選手にかかる「フタ」を無効化するという効果が付与されていました。特訓をかけると「フタ」の制限を無視して成長判定されます。
また、RBOには「最低1%成長保証」が存在するため、「フタ」で成長制限がある状態でも、各パラメータごとに1%の確率で成長するようにはなっています。
余談の余談になりますが、超高齢選手が成長するいわゆる「マジカヨ」が起こるのは、これによるものが多いようです。
– 現行RBOのバランサー –
データベースの大改装後、詳細不明になりましたが、おそらく以下の2種類はあると思います。
- リーグ単位のバランサー
- 機構単位のバランサー
選手単位のものも定義によっては、バランサーの類といえばそうなのですが、ここでは含めないでおきます。
【余談】
例えば、長打と足が両方A以上の選手は、打力の成長確率が下がる等のもの。
【リーグ単位のバランサー】
「守備天秤」の後継。詳しい閾値はわかりませんが、リーグ単位で見ていること、成績が投高打低になった場合に、極端に守備関係と投手能力が秋落ちするので、同質のものだと思われます。
「守備天秤」との大きな違いは、秋にのみ強く作用し、春に対しての効果が薄いこと。秋落ちの効果が強い上に、現行のバランスではリーグ編成によって毎年のように頻発するケースがあります。
おそらく後述する「守備天秤凪」が起こりづらくするように秋のみ効果を強烈にしたのではないかと思うのですが、詳細はわかりません。
【機構単位のバランサー】
現在は「パラ天秤」をリーグ単位ではなく、機構単位で見るバランサーに移行させてあると思ってるのですが、その後改修されてる可能性も高く、詳細不明です。
ルール7選手がいなくなり、インフレが抑制されて落ち着いてきた現在も、過去に比べてさほど成長が多くなっていないことを考えると、あまり効果の強いものではないように思います。
– バランサーの副作用について –
バランサーによって、極端な成績が出づらいようにバランスが保たれていますが、その強力な効果のため、副作用も強くあります。
【守備天秤凪】
まず、過去における「守備天秤」における副作用。私が「守備天秤凪」と呼んでいるものです。
リーグ全体が投高打低判定になり、「守備天秤」が、強力な”守備投手低下・打力上昇”になったままの状態が続く現象です。
”守備投手低下・打力上昇”が働いているにも関わらず、上位の、ある球団の守備が高いまま落ちず、一方で、上位以外の球団は、「守備天秤」に引っかかって、守備がほとんど上がらず、どうにも勝てない状態になります(ベスプレは内野守備の影響が強いため)。
RBOは、普段は守備の成長衰退がしやすい設定になっていますが、この状態になると、全球団の守備がほぼ止まったまま、凪のようになるので、「守備天秤凪」と呼んでいました。
守備は原則1ランクずつしか上下しないのもその理由。先に上がってる状態がとにかく有利なのです。
そもそもは、即効性のある「守備天秤」が強力にかかるので、この現象は3年そこそこで終わることが多いですが、条件次第では6年程度続くことが有り、しばらくリーグ内の順位もロックされることもありました(そうなると、守備と一緒に順位も凪状態になります)。
「守備天秤凪」の発生条件
さて、この「守備天秤凪」現象が発生しやすくする条件が2つありまして、1つは上位チーム側の内野手が若いことなのですが(「守備天秤」に関わらず落ちづらいので)、もう1つは、下位チームが鍵になります。
リーグ平均防御率3.50を切ることはレアケースですが、一方で平均打率.230を切ることは比較的ありました。ですので、「守備天秤凪」の起こるもう1つのトリガーは、リーグの平均打率が低いこと。
また、上位チームと中位チームは、平均すると「守備天秤表」の真ん中あたりに収まる防御率と打率を出してることが多いですが、下位チームには恐ろしく打率が低いチームが存在してます。加えて下位チームでもそこまで守備が悪くないケースがあります。
この場合、防御率がさほど悪くなく、かつ平均打率.230を切ったままになり、”守備投手低下・打力上昇”に傾いたままになります。
「守備天秤凪」現象を起こすキャスティングボートを握っているのは下位チームということになるのです。
【余談】
この「守備天秤凪」現象、慣れると、リーグの新編制が発表された瞬間に、起こる確率が高いと予測することができました。
予測できた場合、若くて守備の高い選手をとにかく獲得しておくと、「守備天秤凪」の上側を意図的に取ることができます。
これを「守備天秤凪マウント」と勝手に呼んでいたのですが、RBOpediaにも書いてなかったのでここでこっそり書いておきます(項目作ったと思ってました)。
ちなみに逆の状態「打力下がりまくり」は単発で起こることはあっても、長く続くことはほぼなかったです。他の成長衰退と守備天秤の閾値設定バランスのためでしょうか。
【現在の「リーグ成績を見ているバランサー」による実例】
ここまでは過去の話でしたが、続いて現在の状況を見てみましょう。
現在のバランサーの見ている対象と閾値はわかりません。ですが、リーグ単位の成績が投高打低になったときに、反応するバランサーは存在しています。
555年度の再開後、この「バランサーの過剰反応」と思われる現象をそこそこの頻度で見かけるようになっています。今回は例として、585年度のガンダムリーグを見てみましょう。
ガンダムリーグ チーム名 試合 勝 負 分 ゲーム差 勝率 得点 失点 打率 防御率 本打 盗塁 DER 広島東洋ガンダム 160 114 46 0 0.0 .713 817 510 .254 2.99 193 290 .733 津マリオネット 160 107 53 0 7.0 .669 805 523 .263 3.15 221 134 .770 島根フェニックス 160 102 58 0 12.0 .638 794 516 .268 3.13 158 292 .747 土佐大旺ベイベリーズ 160 70 89 1 43.5 .440 492 664 .199 3.92 156 89 .724 北陸クレタレインボー 160 47 113 0 67.0 .294 431 763 .203 4.74 110 99 .697 沖ノ鳥島スパイス 160 39 120 1 74.5 .245 312 675 .184 4.15 69 23 .704
現在のバランサーの見ている対象はわかりませんが、585年度のガンダムリーグは、平均打率が.229、平均防御率が3.68(ともに概算)です。「投高打低」の状態と見て良いでしょう。
以下、ガンダムリーグ所属各チームの秋落ち状況です(クリックでチームごとに拡大表示)
見ての通り、6チームとも守備・肩と投手能力が大幅に落ちています。
(ほんとは、「反応してるとき」「反応してなさそうなとき」を両方カウントして、対照表を作った方がいいのですが、さすがに手間かかりすぎますので、諦めました。RBOプレイヤーなら偏ってるのが分かると思いますので、察してください(涙))
【余談】
那珂川さんの好みからしたら、このバランサーは出塁率あたりも見てそうですが、まぁわかりません。
現在の「リーグ成績を見ているバランサー」について
現在のバランサーは、このような強烈な秋落ちを発生させます。私は「バランサーの過剰反応」と勝手に呼んでます。
現在のバランサーは、過去の「守備天秤」と比べて、春での守備成長抑制はそんなに強くありません。なのでこの状態のあとでも守備はそこそこ上がります。結果、守備が乱高下することが多いです。
打力の成長補正もあまりないようです(あったとしても下位球団の長打が上がらないとあまり状況は変わらないですが)。
そのため、「バランサーにバランスの崩れたと判定された状態」がなかなか解消されず、複数年にわたってたびたび起こるようになっています。しかし、「守備天秤凪」のような守備の固定現象は起きづらいため、勝つチーム自体は昔より入れ替わるようになりましたし、連続でなく断続的にも起きるようになりました。
また、キーとなってるのは「守備天秤凪」の時代と同じで、打力が低いチームの存在です。最下位チームの影響が強いことが多いですが、現在のガンダムリーグの場合、複数チームでしょうか。
おそらく、リーグ再編まで「バランサーの過剰反応」が頻発する状況が続くと思います。
「バランサーの過剰反応」は、前からあったのですが、ルール7がある時代はそこまで発生しませんでした。おそらくルール7出身野手が強力であったためでしょう。
ですが、現在はルール7がないため、打力の高い野手を揃える難易度が上がっています。一方、防御系は守備次第でそこそこどうにかしやすいです。結果、打力の低いチームができやすく、「バランサーの過剰反応」の起こる頻度が上がっています。
また、チームカラーで上昇したアジャストデータを使って試合した結果を見て、ベースに補正を入れてるのもいかにも相性が悪いところではあります。
【余談】
過去の「守備天秤凪」では、打力は落ちづらく上がりやすい状態が続き、現在のバランサーでも、打力が極端に落ちづらくなるので、副作用も悪いことばかりではないんですけどね。
特に広島Gの三笠源選手のような高齢で成績稼ぎたい選手にとっては。(過去、野手高岡の延命に逆用したことがあります)
ちなみに現在のバランサーによる秋落ちは、おそらく元の落ちる確率に乗算で上がるようになってるようで、元々秋落ちしやすい選手と箇所は特に落ちやすくなります。具体的には年齢の高い選手と消耗度の高い選手(の守備・肩・投手能力)ですね。
リーグ全体に強烈な秋落ちが多いですが、585年度島根の秋落ちが特にひどいことになってるのはこれが原因だと思います。
正確には、消耗度が高いと、秋の低下判定が確定後、2回目以降の低下判定に入る確率が上がるという仕様なので、「バランサーの過剰反応」で、落ちやすくなってる判定が2,3回ループしちゃった結果……のはずです。
– まとめのようなもの –
今回は、どうすれば良さそうかの話は置いといて、RBOのバランサーがどういう仕組みで、どういう変更が加えられてきて、そしてその結果、どういう効果と副作用があるかを書いておきました。
他の要素変更があり、バランスが変わった時にこそ、バランサーが働くともいえ、一筋縄ではいかないところではあります。
【余談】
一応、私は「リーグ単位でのバランサーは、なしで良いと思ってる派」です。副作用が強すぎるというのもありますが、一番の理由は、選手の成績を眺める楽しみ方視点で不自然だから……なんですが、それでゲームのバランスが取れるかは私にも確証はありません。
続編:
コメント